出前授業 レポート

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第6回 大江町立本郷東小学校 景観出前授業

2023.7.11

大江町の歴史と産業、最上川の景観を学ぶ!

大江町はかつて最上川の舟運で栄えた町で、本郷東小学校の地区は、「青苧」を生産し、最上川を物流の手段として発展してきた歴史があります。
6年生の総合学習は「景観」をテーマに、「青苧の生産、最上川と発展してきた六郷地区の歴史に触れた学習を展開していきたい。」、「修学旅行先の酒田方面で、大江町から最上川で運ばれた「青苧」の取引等を学習し、最上川と大江町の産業の歴史の繋がりを学ぶ」というカリキュラムの一環で景観出前授業を取り入れていただきました。

5年生は、「人々はどのような協力で成り立っているか学ぶ総合学習を展開したい。また、自然体験学習では、生き物や「川」をテーマに進めていきたい。景観出前授業で地域の方々が協力して景観の保全に取り組んでいることを子供達に学んでほしい。」というねらいの元、5・6年生合同で、「最上川」の景観をメインに景観出前授業を開催しました。

左沢の文化的景観の始まりの地に行ってみる!

学校から出て、左沢町までの街道沿いを通り、追分石を横目に見ながら、小漆川城本丸跡地へ行きました。江戸時代、小漆川にお城がつくられて、内町・横町・原町周辺に城下町が整備され、最上川舟運の舟が着いて、町場が栄えました。囃子屋台や獅子踊り、初市やひな市など今に残る文化もここが始まりとされています。

子供達は小漆川城跡から清野家までのまちなみ景観を、観察しながらまちあるきをしました。この通り沿いには、古くからの建物が点々と残っており、川岸沿いで栄えた当時のまちなみの痕跡を垣間見ることができます。
本郷地区とは学区が離れているので、子供達も実際に横町を歩いたことがあるのは半分くらいでした。
江戸時代の庄屋街のまちなみの雰囲気を残す重要建造物
清野家主屋、蔵及び築地塀は、最上川舟運で栄えた町の歴史を今に伝える貴重な建造物です。江戸後期に建てられ、会津屋という屋号で終戦前まで造り酒屋を営んでいた原町通り最大級の商家の建物です。木造2階建てで明治期の竣工とされる主屋、大きな鬼瓦を頂く店蔵に加えて、江戸期の竣工とされる土蔵などが並び、歴史的なまちなみを形成しており、平成20年12月14日に、大江町の景観重要建造物第1号に指定されています。子供達は各自タブレットで写真を撮りました。
気品と品格のある美しい旧最上橋
次に最上川舟唄発祥の地と言われて石碑があるビュースポットへ行きました。ここから見える旧最上橋は昭和15年の架け橋以来、約60年にわたり、多くの人に利用されて来ました。最上川に映る3連アーチ橋の美しい姿は、大江町のシンボルとして現在も残されています。県と大江町から、景観重要建造物に指定されています。子供達は眼鏡橋と最上川を撮影しました。
次に、楯山公園(日本一公園)へ行きました。ここは、楯山城跡地であり、正平年間(1346~1370年)に大江氏の一族である左沢元時が自然の地形を利用して築き約270年間その地一帯を守り通した山城であると伝えられています。この立地は最上川の水運交通で生活し、活気づく人々を支配する「川の城」であると同時に、最上川の「川の道」として侵略者を監視する役割も持っていました。武士たちは、常時はふもとの居館で生活し、戦等の有事には山上の城郭にこもった場所と、水戸部専門員より歴史を聴きました。
この場所から見る東へ大きく蛇行して流れる最上川と、川面に影を映す眼鏡橋は県内でも有数の景勝地で、やまがた景観物語のビューポイントにもなっています。ここで子供達は自分のタブレットで撮影しました。前日の雨で川が濁っており、ベストな写真は撮れませんでしたが、水がきれいな日にまた訪れていただきたいです。
急なゲリラ豪雨で東屋に避難・・・。雨ごいをしている元気な男の子も。

ここから見える大江町百目木地区は、令和4年8月に豪雨災害で床下浸水の被害がありました。国で今後生命や財産を守るための堤防が整備されますが、ここから見える最上川の景観が変わります。大江町、国、県が関わりあい、事業や景観を検討しています。変わる前の景観を、生徒達一人ひとりが実際に眺めることで、大江町のまちづくりの当事者として、景観に意識・関心をもってもらえたら幸いです。

沢山のことを勉強して、いろいろ観に行った後は、お楽しみの缶バッチをプレゼント!
子供達は缶バッチを受け取り、お互いに見せあい、とても喜んでいました!
これから6年生が行く修学旅行では、様々な学びがあることを期待しています!

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