出前授業 レポート
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第9回 東根市立長瀞小学校 景観出前授業
2024.7.16

景観とはなにか
長瀞小の5・6年生を対象に、座学で「景観とは何か」や山形県内の景観と、東根市の景観やまちづくり等を学び、校外学習で長瀞小学区内の歴史的背景を持つ場所や、景観を感じられる場所を訪れる。また、東根特有の地形が生み出す湧水と果樹栽培の関連を学び、東根にしかない景観の魅力を再発見します。

東根市建設課より景観まちづくりを説明いただきました。東根市は独特な地形「扇状地」により、市の西側が水田で、中央が果樹地帯が分かれており、違った景観が形成されています。
東根市の景観の取り組みとして、東根城跡周辺の修景や、関山大滝のライトアップ、学びあテラスの景観整備、長瀞地区の景観二の堀の雨水整備事業の景観づくりについて話を聞きました。

座学の後は校外学習で、長瀞小学区内で長瀞城跡地の二の堀に行きました。子供たちにとっては毎日通る通学路です。

長瀞城二の堀の歴史と保全の取り組みを学ぶ
二の堀や周辺の公園の整備等に取り組む地元の保全団体「二の堀を愛する会」齋藤好信さんに、長瀞城や、二の堀の由来等の歴史を伺いました。二の堀を愛する会では、堀の清掃だけでなく、子供達が安心して遊べる場所を作ろうと、ミニ公園広場の造成とおらだな広場の整備等も行ってきたそうです。少ない予算の中で地域の方50名が土日に集まり、それぞれができることを持ち寄り手づくりしてきたそうです。
おらだな広場には、現在長瀞小の子供達で構成されている緑の少年隊が花を植えたりしているので子供達も景観整備に協力しているそうです。

地域の景観と調和させて防災機能を両立させた濠の整備を学ぶ
景観に配慮した二の堀の雨水調整池整備について、東根市上下水道課の職員よりお話を伺いました。周囲が田園に囲まれた長瀞地区は土地が低い分、民家に水が上がらないよう二の堀で雨水を調整できるように整備しているそうです。
その後、二の堀周辺の道路整備について、景観に配慮した意匠等を東根市建設課道路部門の職員より説明を受け、子供達は眺めながら堀の周りを歩きました。

二の堀の後は、東根市の代表的なビューポイント「関山大滝」に向かいます。道中、関山大滝と関山街道にまつわる歴史を説明しました。
特に、関山街道の整備の歴史は、物流のルートや手段、人の往来等、山形県や東根市の発展に大きく影響を与えました。




黒鳥山公園展望台へ向かいました。ここからは、東根市内や、子供達が住む長瀞地区を眺望できます。
座学で学んだ扇状地の地形による山間地域と果樹園地帯、田園地帯が、緑色のグラデーションで景観の違いを見ることができました。遠くに見える月山、葉山は美しく見え、山形空港の滑走路、工場地帯等の景観の違いも感じることができました。各自タブレットで写真を撮りました。
子供達は、出前授業で学んだことから、長瀞の魅力を見出し、今後の総合学習で、6年生は学校行事のウォークラリーイベントで出題するご当地クイズ作成や各自の夏休みの自由研究等の探求などを行い、5年生は環境問題で取り組んでいる水質調査への理解を深めるそうです。
地域に関わる様々な方の話を聞いたり、地域の景観を早期に学ぶことで、まちの魅力を感じやすくなり、毎日の暮らしの幸福度アップに繋がります。将来地元東根市や山形県の担い手育成につながれば嬉しいです。