南陽市赤湯

南陽スカイパークから見る白竜湖と置賜盆地の眺め

景観の特徴

南陽市の代表的観光スポットである白竜湖と赤湯市街地を眼下に、飯豊連峰や吾妻連峰に囲まれた美しい置賜盆地の大パノラマを一望できます。また、南陽市、米沢市の街明かりを望むロマンチックな夜景も楽しめます。

景観物語

『鳥になって飛び立ちたい』

【地形の成り立ち】
眼下に広がる水田と、そのなかに小さく見える湖「白竜湖」には、置賜盆地の成り立ちとそこに暮らす人間の長い歴史が秘められています。
置賜盆地は東北地方の他の盆地よりも標高が高く、盆地に特有の扇状地は、南部には見られるものの、このあたりにはまったく見られません。かわりに、白竜湖の周辺に広大な浮島状の泥炭湿地「大谷地」が広がっています。
白竜湖一帯は、新第三紀中新世(約2300万年~約530万年前)後期の地殻変動で生じた陥没構造(大きな凹み)に第四期(約260万年前~)の粘土や砂、泥炭(枯れた植物が炭化したもの)が堆積しており、その規模は東西・南北10キロメートル、深さ100メートルに及びます。白竜湖に近いところでは、泥炭や泥の層は地下14メートルに達し、湖の水深は浅いものの地盤は「底なし」です。
白竜湖の起源については、屋代川と吉野川の自然堤防の発達によりせき止められて生じた低湿地と大きな湖(置賜湖)に端を発すると考えられています。湿潤な環境の中で泥炭から植物が生え湖面を狭めていき、その植物から泥炭が形成されてさらに湖面を狭めていくことが繰り返されました。現在の白竜湖は、こうした自然界の仕組みによって最後に残った湖面と言えます。湿性植物が群落を形成する一帯は県内でも貴重な自然遺産であることから、昭和30年、白竜湖を含む90.56haが県の天然記念物に指定されました。

【大谷地の開発】
一方、明治時代以降大谷地周辺では水田耕作が広がりましたが、農地の大半は湿地帯、残りは「水面に浮かぶ田んぼ」で、流れ込む河川がないため排水も出来ない状況でした。そのため、昭和30年ごろまでは弥生式の農耕を引き継ぐ谷地舟や田げたなどを用いた米作が続けられていましたが、その後、客土工事や排水路整備、区画整備などがすすめられ現在のような美しい水田が形作られました。

【山形県ぶどう発祥の地】
南陽市は県内有数のぶどうの産地で、風土を生かしたこだわりのワインづくりが行われています。南陽市のぶどう栽培の歴史は古く、江戸時代中期まで遡ります。ビューポイントのある十分一山は、300年程前は金山として栄え、金の採掘のために全国各地から人が集まっていました。そのような中、現在の山梨県から来た金掘人が、甲州ぶどうの苗を持って来て植えたのが、山形県のぶどう栽培の始まりと言われています。盆地特有の寒暖の差、白竜湖から立ち上る湿った空気、山の斜面を利用したことによる、水はけと日当たりの良さなど、美味しいぶどうが実る条件が揃っていたこともあり、ぶどう栽培は瞬く間に広まっていきました。
ぶどう栽培が盛んに行われていた南陽市では、明治時代の中頃からワインの醸造が始まり、戦前は小規模なワイナリーが60軒以上ありましたが、現在は4つのワイナリーが残っています。少人数の家族経営で、アットホームな雰囲気のなか、古くから受け継がれてきた製法と丁寧な作業により、家庭的で個性豊かなワインが作られています。

【ハンググライダー・パラグライダーのファウライトエリア】
白竜湖を取り囲む山々に吹き付ける風は、斜面を吹き上げるような上昇気流を発生させ、眼下に見える白竜湖周辺からも熱上昇気流(サーマル)が発生します。そのため、この地はハンググライダー・パラグライダーの長時間飛行が可能となっており、障害物のないランデイングエリアとともに、飛行に最良の地形となっています。

【白竜湖の伝説】
あるとき置賜(おいたま、当地方の名称)が日照りで雨が降らず、あちこちで水争いが起こるようになりました。村人は毎晩のように雨乞いをしましたが、雨は降りそうもない。そこへ旅の僧がやってきて気の毒に思い、天に向かって経文を唱えること三日三晩、一天にわかに曇り、ぽつりぽつり雨が落ちてきて、やがてざわざわと風がおきたかと思うと、湖から白竜が巻物をくわえて天に昇っていったという。それから村人はこの湖を白竜湖と言うようになったといいます。
また、赤湯の東正寺(とうしょうじ)の若い僧に恋をした娘が、添い遂げられないのを悲しみ、湖に身を投げ、白龍となって天に昇ったとの伝説もあります。

白竜湖と周辺に広がる美田、急斜面のぶどう園が調和したみごとな景観は、「美しい日本のむら景観百選」に選ばれています。

イベント情報

赤湯温泉桜まつり(4月)
熊野大社例大祭(7月24、25日)
スカイフェスティバルin南陽(春・秋)
南陽の菊まつり(10月~11月)
なんよう雪灯かり祭り

グルメ情報

赤湯ラーメン、ワイン

まわりの観光スポット

観光果樹園(さくらんぼ、ぶどう)
赤湯温泉 4km
ハイジアパーク南陽 5km
烏帽子山公園 5km
稲荷森古墳(全長約96mの県内最大の前方後円墳) 6km
熊野大社(日本三熊野のひとつ)・双松公園 7km
安久津八幡宮(おすすめビューポイント) 12km
瓜割石庭公園(おすすめビューポイント) 13km
亀岡文殊(おすすめビューポイント)   14km

視点場と周辺マップ

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