山形県庄内町

52 「風のまち」の田園風景にたたずむ風車群

景観の特徴

庄内町付近は、強い東寄りの風が最上狭から平野部に吹き出す通り道になっており、風は農作物に大きな被害をもたらすやっかい者とされてきました。しかし、この日本三大悪風「清川だし」を逆手に取り1980年代から風力発電に取り組んできました。庄内平野の田園の中に町のシンボルとして誇らしげに立つ6基の風車が印象的です。

景観物語

日本三大局地風「清川だし」

【清川だし】
春から秋にかけてこの地域に強く吹き付ける「清川だし」。「だし」とは、細長い谷地を抜け、海や平野に強く吹きつける風をいいます。日本三大悪風として有名な「清川だし」は、奥羽山脈から吹き付ける風が、最上川によって形成される大きな谷地によって集められ、庄内平野川の出口にあたる清川で、局地風になって強く吹き付けるものです。
 あまりに強く吹くこの風によって、春には早苗が吹き飛ばされ、秋には稲穂が薙ぎ倒されるなど、農作物の生育にしばしば大きな悪影響を与えられていました。しかしこの風を逆手にとって利用するという発想から風力発電に取り組んだ旧立川町は、今では日本の風力発電普及の源になっています。

【風力発電への挑戦】
 昭和55(1980)年から始まった清川だしの風力発電への利用の計画は、苦難の連続だったといいます。計画始動から3年後、最初に設置された小型風力発電は、発電電力を温室栽培で農業に利用しようというアイデアでしたが、設置後ほどなくあまりに強すぎる風に吹き飛ばされました。
 翌年、国から委託された新型風車を設置しました。この風車の電力は、養豚場のヒーターなどに利用されていましたが、設置から5年後、清川だしに吹き飛ばされました。
 昭和63(1988)年、3度目のチャレンジで、清川風に負けない本格的な風力発電を試みた結果、平成5(1993)年に、アメリカ製の大型風車(100kW)を3基設置することに成功しました。この3基の風車は一般家庭の年間電気使用量の60世帯分を発電する自治体では日本一の風力発電施設となりました。これらの風量発電施設設置のチャレンジの過程は、NHKのプロジェクトXでも取り上げられました。
3基の風車は、現在は供給が停止されていますが、庄内町風車村(ウィンドームたちかわ)で見学することができ、夜にはライトアップもされ、その壮観かつ幻想的なたたずまいを見ることができます。

【田園に立つ6基の風車】
 ここおすすめビューポイントから見える田園に立つ6基の風車は、右から4基が600kWの風車、残る2基が1,500kWの風車で、平成13(1993)年以降設置されたものです。(400kWの風車が2基ありましたが、平成29(2017)年1月に廃止されました。)
 出羽山地を抜け田園に吹き抜ける清川だしを受けてまわる風車群の姿は、壮観です。

イベント情報

楯山公園桜まつり(4月下旬)
砂金掘り体験(5月~10月)
イワナつかみ取り体験(5月~10月)
植木・金魚まつり(6月上旬)
キャンドルナイトin庄内(6月下旬)
龍神月山(7月下旬)
夏宵まつり(8月12日)
小出沼親水広場まつり(9月上旬)
余目まつり(9月14日~16日)
月山龍神マラソン(10月中旬)
やや祭り(1月中旬)
月の沢龍神冬まつり(2月下旬)

グルメ情報

ラーメン、庄内柿、ほうき、トルコぎきょう、ストック

まわりの観光スポット

道の駅しょうない3km
ウィンドーム立川(風車村) 5km
清河八郎記念館 7㎞
カートソレイユ最上川 10km
庄内町ギャラリー温泉町湯 10㎞
庄内町新産業創造館クラッセ 10km
眺海の森(おすすめビューポイント) 9km
白糸の滝(おすすめビューポイント) 11km

視点場と周辺マップ

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