八向楯は最上川岸壁に築かれた中世の城（楯）です。義経伝説も残るこの場所は、最上川の雄大な流れに白い絶壁、青い空と朱色の鳥居が映える絶景を眺めることができます。

八向楯は最上川右岸の八向山山頂に築かれた中世の城（楯）です。最上川の方に突き出た尾根筋を二重・三重に断ち切って、本丸・二の丸・三の丸の郭を区画し、それぞれの境に薬研（やげん）掘りの二重の深い空濠（からぼり）を設けています。本丸の南側は最上川に面した高い断崖で、この脚下を洗う激流によって、かなり浸食されています。本丸南面の白い断崖中腹に祀られている矢向神社は、平安時代前期、貞観16年（874年）に従五位下を授けられた、「六国史」（「日本三代実録」）に「矢向神」として記されている国史現在社である。古来、最上川を上下する舟人の信仰が厚く、同時代末、文治3年（1187年）、兄頼朝と対立した源義経は、舟で最上川をさかのぼり、本合海で上陸して奥州平泉に向かいましたが、この時義経も「矢向大明神」を伏し拝んだと「義経記」に記されています。

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